●係長クラスの37.2%が「かなりストレスを感じている」
●ストレスは測ってみたいが、結果が悪かった際の処遇が気になる
平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、
ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が創設され、
平成27年4月15日に具体的な運用方法を定めた省令、告示、指針が正式発表されました。
インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチのDIMSDRIVEでは、
「ストレスチェック」についてアンケートを行い、
ストレスチェック制度の認知、考えられるメリット・デメリット、受診の意向・結果フィードバックの意向等についてまとめました。
調査は2015年3月25日〜29日にかけて実施し、
DIMSDRIVEモニターの組織勤務者975人から回答を得ています。
※具体的な運用方法を定めた省令・告示・指針が発表される前の調査となります。
インターワイヤードはストレスチェックサービスを提供しております。
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● 職場の人と「プライベートな話、雑談をしない」・・・36.0%
● 中間管理職はストレスフル?! 係長クラスの37.2%が「かなりストレスを感じている」
● ストレスを抱えていることを会社や部署に 「知ってほしい」46.2% 「知られたくない」30.7%
● 半数が、「ストレスチェック」という名称すら知らず
● 具体的な問題解決は期待できないが、『意識の高まり』は期待
● 結果が悪かった時の処遇が気になる・・・
● 受診意向は意外と前向き? 検査を「受けたい」27.5%、「受けても良い」35.7%
● 仕事でストレスを抱える人は、企業への結果フィードバックに前向き
● 「自分のストレス具合を測ってみたい!」という理由で受けたい人が7割
● 自分の勤務先で想像すると・・・? 具体的な効果、問題いろいろ
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■職場でのコミュニケーション状況
組織に勤務する人の、職場の人との関係性を尋ねたところ
「悩みを相談するなど、信頼できる間柄」という人は11.3%と1割程度であった。
「プライベートな話はするが、悩みは相談しない」人27.9%を含めた
『プライベートな話をする』という人は39.2%、約4割である。
一方、全く会話が無い人も含め、『プライベートな会話・雑談をしない』人は36.0%と4割近くに上る。
職場の人とのコミュニケーションをあまり取っていない人も多いようだ。
<男女・年代別>
プライベートな話をする割合は
【男性】37.7%、【女性】42.7%と女性の方がやや高いが、それほど大きな差は無い。
年代別に見ると、【30代】と【50代】が4割を超えて他の年代よりも高いが、
【30代】は【50代】よりも悩み相談もできる間柄である割合がやや高い。
【20代】ではプライベートな話・雑談をしない人が47.5%と半数近くも存在し、
コミュニケーションをあまりとらない人も多い…という結果である。
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■身体の疲れ具合
身体の疲れ具合と、その原因を尋ねた。
原因・程度に関わらず『疲れている』と回答した割合は67.8%であり、
7割近くの人が疲れている・・・という事が分かった。
うち、「仕事・職場が原因で、かなり疲れている」は18.7%、「仕事・職場が原因で、少し疲れている」は28.1%と、
『仕事・職場が原因で疲れている』人は46.8%と半数近くに上る。
■心のストレス具合
一方、心のストレス具合と、その原因については
原因・程度に関わらず『ストレスを感じている』と回答した割合は67.8%であり、身体の疲れと同じ値であった。
うち、「仕事・職場が原因で、かなりストレスを感じている」は22.5%、「仕事・職場が原因で、少しストレスを感じている」は27.9%と、
『仕事・職場が原因でストレスを感じている』人は50.4%と半数を超えた。
多くの人が、仕事や職場が原因の”心のストレス”を抱えている事が分かった。
<男女・年代別(心のストレス)>
【女性】は【男性】に比べて、『仕事・職場以外でのストレス』を抱えている人が多い事が分かる。
『仕事以外でのストレスを抱えている割合』は【男性】14.5%に対し、【女性】は24.0%である。
「仕事・職場が原因で、かなりストレスを感じている」割合が最も高いのは
【30代】で28.3%、次いで【40代】25.2%、【50代】24.8%である。
いわゆる”中間管理職”の世代ではストレスを感じている割合が高い。
【20代以下】では7.5%と少ない。
また、【60代以上】では、ストレス自体を感じている割合が低く、62.1%が「あまりストレスを感じない」・「すごく元気だ」と回答している。
<役職別(心のストレス)>
「仕事・職場が原因で、かなりストレスを感じている」人の割合が最も高いのは【係長クラス】で37.2%である。
次いで【経営者】35.5%、【主任クラス】25.6%、【課長クラス】23.9%、と続く。
経営者を除いて見た場合、「係長クラス」に近い役職ほどストレスを感じているというデータとなっている。
”中間管理職”は強いストレスを感じているようである。
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■ストレスがあることを、職場・会社に知ってほしい?
心について、『ストレスを感じる』と回答した人に、
“お勤めの部署や会社に、あなたがストレスを感じていることを知ってほしい(分かってほしい)と思いますか。”と尋ねたところ、
31.5%が「部署にも会社にも知ってほしい」と回答した。
職場である部署だけでなく、会社にもわかってほしい…という人が多い。
また、「部署には知ってほしいが、会社には知られたくない」人は6.4%、
「会社には知ってほしいが、部署には知られたくない」は8.3%と、
知られてしまうと都合が悪い相手がいるが、誰かには知ってほしい、という人もいる。
しかし、部署や会社に『知ってほしい』と思っている人は46.2%であり、半分に満たない。
「部署にも会社にも知られたくない」という人が30.7%と3割存在し、
知られることに抵抗を感じる人も少なくない事が分かる。
<男女・年代・役職別>
男女差はあまり見られなかった。
年代・役職別にみると、前問で【仕事・職場が原因でかなりストレスを感じている】と
回答した割合が高い属性ほど、「部署にも会社にも知ってほしい」と考えている事がうかがえる。
特に【係長クラス】では50.0%が「部署にも会社にも知ってほしい」と回答しており、
辛い状況を分かってほしい!と願っている。
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■「ストレスチェック制度」 認知率
<ストレスチェック制度>の認知については
「義務化されることも知っていたし、その内容も知っていた」は7.2%、
「義務化されることも知っていたが、内容は詳しく知らなかった」9.7%と、
『義務化されることを知っていた』人は16.9%と少ない。
そもそも『<ストレスチェック>という名称』を知っている人が49.6%と半数に満たず、
現時点では認知率は低い。
<従業員数別>
“義務化されること”の認知率が最も高いのは【従業員1,000〜2,999人の企業勤務者】27.5%であった。
次いで【従業員3,000〜4,999人の企業勤務者】27.0%、【従業員5,000人以上の企業勤務者】24.5%と続いた。
“1,000人以上の企業勤務者”では、義務化に関する認知率がやや高めである。
<役職別>
【部長クラス】では、「義務化されることも知っていたし、その内容も知っていた」と回答した人が2割を超え、21.0%に上る一方、
「全く知らなかった」という人も32.2%存在しており、
『知っている人は詳しく知っているが、全く知らない人も多い』状況。
【係長クラス】も13.7%が「義務化されることも知っていたし、その内容も知っていた」と回答し、他の役職よりも高い。
『義務化されること』の認知率は、【役職なし】では11.3%なのに対し、
【部長クラス】では35.5%と、階級が上がるほど高くなっている。
調査当時(2015年3月末)では正式発表がされていなかったこともあり、
上層部では知られているものの、末端まではまだ知られていない…という結果であった。
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■期待できそうな効果は「意識の高まり」・・・実施のメリット
企業が「ストレスチェック」を行った場合、考えられるメリット(良い点・良い効果)を尋ねたところ、
「心の不調者や、休職者を増やさない・防止できる」39.7%が最も多かった。
次いで「従業員がストレスなく仕事ができているかどうかをざっくりと知ることができる」32.4%、
「企業が社内で抱えている問題を知る・問題に気づく」26.1%、
「企業が、従業員のストレス緩和に関心を持つようになる」24.5%、
「従業員自身が、ストレスの緩和に関心を持つようになる」21.6%と続いた。
「心の不調者や、休職者を増やさない・防止できる」以外は、
「知る」・「関心を持つ」・「気づく」といった”意識面”でのメリットであり、
具体的に問題を解決するまでは届かないが、『意識の高まり』は期待できそうだと考える人が多いのではないか。
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■結果が悪かった時の処遇が気になる・・・実施のデメリット
一方、デメリット(心配や懸念、良くないこと)については、
「形だけ実施するのみにとどまり、表面的になる」が最も多く40.5%である。
メリットの設問で見受けられた”具体的に解決するまでには届かない”点を懸念している人が多い。
以下、「ストレスがあると判定された従業員への処遇が悪くなる」34.3%、
「結果の解釈を誤ってしまい、従業員を誤解・誤評価してしまう」25.8%、
「人事や給与の評価対象にされてしまう(かも知れない)」24.6%、
「ストレスがあると判定された部署・管理者への処遇が悪くなる」19.0%と続き、
『結果が悪かった際に、不都合・理不尽な処遇をされるのでは…』と懸念する人が多い。
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■<ストレスチェック>検査受診意向
“お勤めの企業が「ストレスチェック」を実施した場合、あなたご自身は検査を受けますか。”と尋ねた。
「受けても良い」という回答が最も多く35.7%である。
ポジティブではないが、嫌ではない…という人が多いようである。
また、「あまり受けたくはないが、仕方がない」という人も18.6%と2割弱存在する。
「ぜひ受けたい」13.3%、「できるだけ受けたい」14.2%と、ポジティブに『受けたい』と回答した人は27.5%、
「出来るだけ避けたい」10.5%、「絶対に受けたくない」7.7%と、ネガティブな人は18.2%である。
<役職別>
ポジティブな『受けたい』という人の割合は、 【役職なし】ではやや低いものの(24.7%)、
他の階級では大きな差は見られなかった。
ただ、<ストレスチェック制度>について最も認知率の高かった【部長クラス】では、
「絶対に受けたくない」と回答した人が14.5%と、『拒否』をする割合が高く、興味深い。
<心のストレス度合い別>
【仕事・職場が原因で、かなりストレスを感じる】人では、
ポジティブに『受けたい』と回答した割合が高く、43.4%と4割を超えた。
前の設問を踏まえると”ストレスを抱えている状況を知ってほしい”という思いから、
受診意向が高くなっているのではないかと考えられる。
一方で、【すごく元気だ】という人では、「絶対に受けたくない」の割合がかなり高く、35.7%である。
(理由については分からず)
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■検査結果 企業へのフィードバック意向
“ストレスチェックの「あなたの診断結果」をお勤め先に知らせることに同意しますか。”という質問に対しては、
「どちらでも良い・こだわらない」という人が最も多く38.7%であった。
結果を知られることについて、あまり気にしていない人が多いようである。
『同意する』という人は32.9%、『同意したくない』人は28.4%で、
賛否共に3割前後と意見が分かれる結果となった。
同意する人については、「結果の良い悪いにかかわらず、同意すると思う」23.0%に対し、
「結果が悪くなかったときは、同意すると思う」9.9%と少ない。
結果によって意向を変える人は少なく、同意の有無に、結果の良し悪しはあまり関わりが無い事がうかがえる。
<役職別>
【係長クラス】は「結果の良い悪いにかかわらず、同意すると思う」が39.3%と高い。
【部長クラス】では「結果の良い悪いにかかわらず、同意すると思う」も32.3%と高いが、
「絶対に同意したくない」も17.7%と他の階級よりも高く、意見が割れている。
前問の受診意向の質問と、少し似た傾向になっていると思われる。
<心のストレス度合い別>
【仕事・職場が原因で、かなりストレスを感じる】人は、
「結果の良い悪いにかかわらず、同意すると思う」が37.5%とかなり高い。
やはり、”ストレスを抱えている状況を知ってほしい”という思いがあるようである。
一方で、【すごく元気だ】という人では、「絶対に同意したくない」の割合がかなり高く、35.7%である。
(理由については分からず)
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■<ストレスチェック>検査を受けても良いと思う理由
<ストレスチェック>検査を受けても良いと回答した人の”受けても良い理由”は、
ダントツで「自分のストレス具合を測ってみたい」69.0%であった。
ふだん主観的にしか測れないストレス具合を測れる、という点に興味を持つ人も多いようである。
以下、「職場環境を会社に把握してもらいたい」24.3%、
「自分がストレスを抱えていることを会社に知ってほしい・分かってほしい」22.5%と続き、
“自分がストレスを抱えていること”よりも
“ストレスの発生しやすい職場環境である”事を訴えたい人が、僅かだが多かった。
「改善したいという会社の意思が見られてうれしい」という人は10.7%と1割にとどまった。
義務として実施するためか、会社に改善の意思を感じる人は少ないようである。
■<ストレスチェック>検査を受けたくないと思う理由
一方、避けたい・受けたくないと回答した人の理由については
「同意していないのに会社に情報が漏れる恐れがある」20.9%、
「ストレスを抱えているという結果が出ると、更に気が重くなる」15.4%、
「結果の提出を強制されそう」14.8%、
「リストラや減給・降格・異動などの口実にされてしまいそう」14.5%、
「結果によっては会社からの評価が下がってしまいそう」14.2%と続いた。
“情報が漏れるかも知れない”という恐れ、“結果が悪かった時の処遇”に不安を抱いている人が多い。
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■勤務先で実施した場合に想定される「効果」
勤務先企業で「ストレスチェック」が実施された場合に、どのような効果がありそうかを、自由回答で尋ねた。
“発見できるかもしれない”、“明らかになるかもしれない”、“理解してもらえるかも知れない”といった、
『今まで知られていなかったこと、うやむやにされていた問題が明るみになること』を期待している回答が多かった。
■勤務先で実施した場合に想定される「問題」
一方、想定される問題については、<効果>よりも様々な回答が挙げられた。
多かったのは、“個人評価への影響”、“結果が悪かった人への偏見・差別”、
“過剰に気を遣うこと・敏感になってしまうこと”、
“会社側が、明るみになった問題を無視する事・結果を偽ること”、
“対応を誤り、却って悪化する事”、”個人情報の流出”といった回答であった。
◆どのような効果がありそうですか。
- 自分の状態が客観的にわかる
- もしかしたら自分がストレスの原因だったというのを発見できるかもしれない。
- 他の人も同じような問題でストレスを感じてることが判れば対処してくれそう。
- 自分で気がつかなかったストレス状態を知ることができ、改善に取り組める。その結果周りの雰囲気も良くなる。
- 業務内容多量で無理がある事が具体的に理解されるかも。
- 一人で仕事を抱え込んだことに気が付かない人が減りそう
- 潜在的な問題が明らかになる
- 上司が目をつぶっているようなことの改善。
- それだけで多少軽減されるような気がする
- 離職率が減りそう
- パワハラが減りそう
- 既に行っており、提出状況は把握していないが、それなりに改善に役立ててもらっているように感じる。
・・・など
◆どのような問題が起こりそうですか。
- 心の中にまで会社が入ってくるのは嫌
- 余計な気遣いをされそう
- 会社から責任者に対して改善の圧力がかかる
- 会社による検査結果の無視。
- 嫌なら辞めて欲しいと言われそう
- 個人評価に反映されないかが心配
- おかしな差別
- パワハラを隠れてやられる可能性があること
- 重度のストレスを抱えている被雇用者が多く出て、雇用側が混乱してしまう。
- 情報が流出した場合に困るかもしれない
- 真の原因追求よりも、ストレスの犯人探しになる恐れがある
- 従業員側で、処遇や異動等に関する憶測が強まるかもしれない。
- 個人のパーソナリティの判断基準となりそう。
- 過度のストレスがあると判断された社員をどうフォローするか、対応を誤るとかえって悪い結果を招きそう
- 他人のストレスが自分の責任だったときにうまく対処できるのかが心配。
- 権利の主張が始まる
- ストレスに弱い人の仕事量が減らされて、ストレスに強い人に負担がかかりそう
- 企業として内容を知れないため、費用対効果の測定ができない。
- 形式だけで終わってしまいそうな気がする
- 多種多様の問題点が多すぎて改善に向かうとは思わない。
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