充実した仕事・職場生活に重要なものは? 「やりがい」、「適正な給与」、「適正な評価」
43.4%が、「会社の上層部は従業員を理解する努力をしていない」
4月といえば入社や進学などの季節。
ベテランのビジネスマンも新入社員を迎え、誰もがフレッシュな気持ちになる時期ではないでしょうか。
インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチのDIMSDRIVEでは、「従業員理解と満足度」についてアンケートを行い、仕事の充実度や会社への満足度、企業の従業員への理解度、などについてまとめました。
調査は2008年3月7日(金)〜3月10日(月)にかけて実施し、DIMSDRIVEモニターのビジネスパーソン男女3,633人から回答を得ています。
● 仕事・職場生活が「充実している」人は半数。部長クラスは69.2%、一般社員は46.2%・・・役職で差
● 充実した仕事・職場生活に重要なものは? 「やりがい」、「適正な給与」、「適正な評価」
● 会社に「満足」している人は3割・・・従業員数が多い企業ほど高い傾向
● 43.4%が、「会社の上層部は従業員を理解する努力をしていない」
● 現場と上層部では認識に隔たり・・・45.9%が「上層部に自分の意見を知ってもらいたい」
● 従業員満足度調査を「知らなかった」人が6割
● 従業員満足度調査を「実施してほしい」65.0% 「係長クラス」が最多
● 上層部に意見が届きやすくなる事を期待
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〜仕事・職場生活が「充実している」人は半数。
部長クラスは69.2%、一般社員は46.2%・・・役職で差〜
■仕事生活の充実度
“仕事や職場での生活についての、現在の充実度”を尋ねたところ、「とても充実している」6.0%、「まあまあ充実している」44.4%と『充実している』人は50.4%と半分であった。
一方、“あまり充実していない”は17.4%、“全く充実していない”は6.8%となっており、『充実していない』人は24.2%であった。
半数の人は充実し、4人に1人は充実していないという結果になった。
<年代別>
年代別の回答を見ると・・・
『充実している』人は男性は年代が上がるにつれて増える傾向にあり、女性は30代がほかの年代よりも2%程度多くなっている。(60代以上は回答者が18人と少ないので参考値)
<役職別>
役職別で、『充実している』と回答した割合が最も高かったのは“部長クラス”で69.2%と7割近くに上った。次いで“役員”67.8%、“経営者”61.8%と続いた。“経営者”は3番目だったが、「とても充実している」と回答した割合は最も高く14.7%だった。
一方、最も割合が低かったのは“一般社員”で46.2%と半数以下となっている。
『充実していない』という割合が最も多かったのは“一般社員”で27.6%と3割近くであった。次いで“主任クラス”22.9%、“課長クラス”22.0%と続いた。
最も低かったのは“役員”で8.5%、“経営者”は“役員”よりも多く11.8%であった。
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あなたの「仕事」や「職場での生活」について、現在の充実度はどれぐらいですか。(単一回答)
全体ベース N=3,633 |
◆性年代別 |
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◆役職別 |
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〜充実した仕事・職場生活に重要なものは? 「やりがい」、「適正な給与」、「適正な評価」〜
■仕事・職場生活の充実に重要なものは?
“充実した仕事・充実した職場生活に重要だと思うもの”については、「やりがいのある仕事」61.3%、「適正な給与」53.5%、「きちんと評価されている」47.9%、「適度に忙しい」42.3%、「上司・部下とのコミュニケーションが円滑」、「同僚とのコミュニケーションが円滑」が38.2%と続いた。
「社会に貢献している実感がある」は21.4%、「会社に貢献している実感がある」は13.9%となった。
<年代別(項目抜粋)>
いくつかの項目について年代別の回答を見たところ、若い年代ほど多く回答されている項目と、年代が上がるほど多く回答されている項目があった。
【若い年代ほど多い項目】・・・「上司・部下とのコミュニケーションが円滑」、「プライベートと仕事のバランスが取れている」、「自分の成長を感じる」、「尊敬できる上司がいる」
【年代が上がるほど多い項目】・・・「責任ある仕事」、「自分の意思が反映できる」、「社会に貢献している実感がある」、「会社のビジョンが明確である」
若い年代は“上司との関係”や“個人の充実・成長”を重視し、
年代が上がるにつれて、“企業の中でどのような役割を果たしているか”を重視している事が伺える。
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あなたにとって、「充実した仕事・充実した職場での生活」に重要だと思うものは何ですか。(複数回答)
全体ベース N=3,633
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◆年代別
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〜会社に「満足」している人は3割・・・従業員数が多い企業ほど満足度は高い傾向〜
■職場に対する満足度
経営者、役員以外の人に、福利厚生や給与、評価制度などを総合的に見た、“会社に対する満足度”を尋ねたところ、「満足している」3.6%、「まあ満足している」27.9%と、『満足である』と回答した人は31.5%と3割だった。「満足している」については3.6%と僅かであった。
一方、「あまり満足していない」は25.0%、「全く満足していない」は15.0%と、『満足でない』と回答した人は40.0%と、『満足である』人よりも1割ほど多い結果となった。
<従業員数別>
従業員数別に見ると、従業員数が多いほど『満足である』人の割合が高くなる傾向にあり、最も高かったのは“5,001〜10,000人”46.0%であった。
3,001人以上では、『満足である』と回答した人が4割を超えた。
反対に『満足である』人が最も少なかったのは“51〜100人”で23.8%となっており、“5,001〜10,000人”46.0%の約半分と少ない。500人以下では、3割に満たない結果となった。
『満足でない』人の割合は、従業員数が少ないほど高い傾向があり、最も多かったのは“51〜100人”で47.5%と半数近かった。
最も少ない“5,001〜10,000人”は21.0%だったが、“10,001人以上”では34.5%と多くなっている。
<役職別>
役職別では、役職が上がるにつれて『満足である』人の割合が多くなる傾向にあった。
“部長クラス”が最も多く38.6%、最も少なかったのは“係長クラス”で30.6%、次いで“一般社員”30.8%という結果だった。
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福利厚生や給与、評価制度などを総合的に見た、あなたの会社に対する満足度はどれぐらいですか。(単一回答)
※派遣社員、パート・アルバイトの方は、普段勤務している職場でお答えください。
会社役員・経営者以外の人 N=3,506 |
◆従業員数別 |
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◆役職別 |
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〜43.4%が、「会社の上層部は従業員を理解する努力をしていない」〜
■従業員を理解してる???
経営者・役員以外の人に、“会社の上層部は、従業員を理解する努力をしているか”と尋ねたところ、 「非常に努力をしている」は4.1%、「まあまあ努力をしている」は24.0%、「少し努力をしている」25.0%と、『ある程度以上(まあまあ以上)努力をしている』割合は28.1%と3割ほどだった。
一方、「あまり努力をしていないと思う」は28.6%、「全く努力をしていないと思う」は14.8%と、『努力していない』と回答した人は43.4%だった。
4割以上の人が、“会社の上層部に理解してもらえていない”と感じている事が伺える結果となった。
<従業員数別>
従業員数別の『ある程度以上努力している』という回答を見ると、社員数が多くなるにつれて低くなり、“3,001人以上”になると、また高くなる。
最も多い“10人以下”では35.5%、最も少ない“1,001〜3,000人”では24.9%であった。
<役職別>
役職別の『ある程度以上努力している』割合は、“係長クラス”を頂点に、谷のような形になっている。
“部長クラス”が最も高く43.3%、最も低い“係長クラス”は22.8%であった。
<従業員理解努力度別の、会社に対する満足度>
従業員理解努力度別の、会社に対する満足度を見ると、【努力をしていると思う】と回答した人ほど、『満足である』という割合が高く、「非常に努力をしていると思う」人では71.3%が『満足である』と回答している。
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あなたの会社の上層部(役員)は、従業員の事を理解しようと努力していると思いますか。(単一回答)
※派遣社員、パート・アルバイトの方は、普段勤務している職場でお答えください。
会社役員・経営者以外の人 N=3,506 |
◆従業員数別 |
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◆従業員数別 |
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◆従業員理解度別、会社への満足度 |
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〜現場と上層部では認識に隔たり・・・45.9%が「上層部に自分の意見を知ってもらいたい」〜
■意見や不満を知ってもらいたい?
経営者・役員以外の人に、“自分の意見や不満を、会社の上層部に知ってもらいたいか”と尋ねたところ、45.9%の人が「知ってもらいたい」と回答した。
「知られなくてよい(知ってもらう必要が無い)」は28.2%、「知られたくない」は5.4%で、『望んでいない人』は33.6%となり、「知ってもらいたい」と考えている人の方が多いことが分かった。
<年代別>
年代別の「知ってもらいたい」の割合は、30代が最も多く48.6%で、以降年代が上がるにつれて割合は低くなっている。
<役職別>
役職別の「知ってもらいたい」の割合は、“課長クラス”が最も高く53.4%であった。“一般社員”が最も少なく42.8%であった。
■知ってもらいたい理由
“知ってもらいたい”と回答した人に、“その理由”を自由回答で尋ねた。
回答の多かった項目はいくつかあったが、その中でも「知ってほしい・聞いてほしい」、「現場を知らなさ過ぎる・現場と上層部の認識に隔たりがある」、「より良い会社になってほしい」、という意見が特に多かった。
そのほかに多かった項目としては、「コミュニケーション・意思の疎通は必要」、「会社が成長・発展するために必要」、「経営者・上層部としての義務」など。
現場と上層部で認識に隔たりがあると思っている人が多く、意見を知ってもらう事で「会社が良くなる」事を期待している人が多い。
■知られなくてよい理由
“知られなくてよい”と回答した人に、“その理由”を自由回答で尋ねた。
「どうせ改善されない・結局変わらない」という回答が多く挙げられた。また、「ある程度の不満は仕方ない」、「不満が無い」、「(個人の不満より)全体のメリットを優先すべき」などの回答も寄せられた。
■知られたくない理由
“知られたくない”と回答した人に、“その理由”を自由回答で尋ねた。
「どうせ改善されない・結局変わらない」という回答が多く挙げられた。また、「仕事がやりにくくなる」、「評価に影響する」、「クビになりそう」などの回答も寄せられた。
“知られなくてよい”、“知られたくない”と回答した人では、「どうせ改善されない・結局変わらない」と、あきらめている人が多いようだ。
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あなたが持っている「会社に対しての意見や不満」などを、会社の上層部に「知ってもらいたい」と思いますか。(複数回答)
※派遣社員、パート・アルバイトの方は、普段勤務している職場でお答えください。
会社役員・経営者以外の人 N=3,506
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◆従業員別
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◆役職別
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それはなぜですか。(自由回答)
会社役員・経営者以外の人 N=3,506
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<「知ってもらいたい」、と思う理由>
【知ってほしい】
・ もっと従業員の生の声を聞いて欲しい
・ 全てを見る事が出来ないと思うので現場の声をちゃんと聞いて欲しい
【より良い社・職場にしたい】
・ よりよい職場になってもらいたいから
・ いい会社だからもっとよくなってもらいたいから
【現場と上層部の認識に隔たりがある】
・ 会社の上層部と実際の現場には、思っていることに隔たりがある
・ 経営層と現場の課題認識の乖離
・ あまりにも社員のことを知らなすぎる
【コミュニケーション・意思の疎通は必要】
・ オープンでいたい
・ お互いにそれぞれの考え方について把握すべき
・ コミュニケーションが円滑になるから。
・ わからないままだと距離が縮まらないから
【会社が成長・発展するために必要】
・ そうでないと会社が発展しない。
・ 個人の意見を反映できる体質がなければ、会社の変革はない。
【経営者・上層部としての義務】
・ それが上部の仕事だから
・ 経営者や責任者の義務だと思うので。
・ 当然の義務 ・・・など
<「知られなくてもよい」と思う理由>
・ どうせ改善されないから。
・ 金銭的に余裕がないことがすべての理由になるのは目に見えているから。
・ ここの不平より全体のメリットを優先するべきだと思うから
・ ある程度の不満は仕方ないと思うので
・ 個人レベルで解決する必要もあるため。
・ 相談できる部署があるから。 ・・・など
<「知られたくない」と思う理由>
・ 改善を期待できないから。
・ 無駄な争いは避けたい
・ 仕事がやりにくくなる
・ それにより自分の評価に影響するのがイヤなので
・ 自分の努力が足りないという点もあるから ・・・など |
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〜従業員満足度調査を「知らなかった」人が6割〜
■従業員満足度調査の認知率
“従業員満足度調査”の認知については、「どんな調査か知っていた」11.3%、「聞いたことがある程度」22.2%で、「知らなかった」という人が66.5%と6割以上であった。
■従業員満足度調査の実施経験
現在働く会社で“受けた(実施した)ことがあるかどうか”については、「ある」は12.4%と1割であった。「ない」と回答した人が72.1%に上った。
<従業員数別>
従業員数別に見ると、従業員数が多い企業で働いている人の方が、経験者が多くなっている。
最も多い“10,001人以上”では33.9%が回答したのに対し、最も少ない“10人以下”の企業では僅か0.8%であった。
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あなたは「従業員満足度調査(ES調査)」をご存知でしたか。 (単一回答)
全体ベース N=3,633
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現在のあなたの会社で、従業員満足度調査を受けた事(実施した事)がありますか。(単一回答)
全体ベース N=3,633
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◆従業員数別
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〜従業員満足度調査を「実施してほしい」65.0% 最も多かったのは「係長クラス」〜
■従業員満足度調査、今後の実施意向
現在働いている会社について、“今後、従業員満足度調査を実施してほしいか(したいか)”と尋ねたところ、「実施してほしい(したい)」は34.2%、「やや実施してほしい(したい)」は30.8%となり、65.0%が『実施要望・意向がある』と回答した。
一方、「あまり実施してほしくない(したくない)」は9.4%、「実施してほしくない(したくない)」は5.4%となり、『実施要望・意向は無い』人は14.8%と1割ほどであった。
<役職別>
役職別の要望・利用意向では、“係長クラス”を頂点に山のような形になっている。
最も多かった“係長クラス”では45.8%、次いで“課長クラス”41.8%、“主任クラス”41.2%と続いた。“役員”は20.3%、“経営者”は最も少なく14.7%であった。
<従業員理解努力度別>
従業員理解努力度別に見ると、“全く努力をしていないと思う”企業で働く人が57.3%とダントツに多かった。
“少し努力していると思う”は28.3%、“まあまあ努力していると思う”は27.5%だったが、それよりも努力度の高い“非常に努力していると思う”では36.6%と多くなっている。
<意見を知ってもらいたい度別>
意見を知ってもらいたい度別の「実施してほしい(したい)」という回答は、『知ってもらいたい度』が高いほど要望・実施意向が高く、“知ってもらいたい”人では85.5%に上った。
<従業員満足度調査 実施経験別>
従業員満足度調査実施経験別で見ると、実施経験が“ある”人は55.9%が「実施してほしい(したい)」、26.9%が「やや実施してほしい(したい)」と回答し、82.8%に意向があるという結果であった。
実施経験が“ない”人は「実施してほしい(したい)」33.0%、「やや実施してほしい(したい)」32.0%で、意向がある人は65.0%だった。
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今後(も)、あなたの会社で、「従業員満足度調査」を実施してほしい(したい)と思いますか。
(単一回答)
全体ベース N=3,633
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◆役職別
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◆従業員理解努力度別
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◆意見を「知ってもらいたい」度別
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◆従業員満足度調査 実施経験別
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〜上層部に意見が届きやすくなる事を期待〜
■実施したくない/してほしくない理由
従業員満足度調査について「あまり実施してほしくない(したくない)」、「実施してほしくない(したくない)」と回答した人に、その理由を尋ねた。
「結局、問題点が改善されなさそうだから」がダントツで45.9%。
続いた「実施の必要が無いから(人数が少ないなど)」は20.0%と半分以下だった。
実施をしても、改善が望めなさそうだと考えている人が多いことが伺える結果となった。
■期待している「効果」
従業員満足度調査を「実施してほしい(したい)」、「やや実施してほしい(したい)」と回答した人に、“実施した際の効果について期待したい事”を尋ねたところ、最も多かったのは「従業員の意見が上層部に届きやすくなる」56.0%であった。
次いで「仕事の評価がより適正になる(差別が無くなるなど)」47.6%、「適正な給与」36.6%、「社内のコミュニケーションが円滑になる」35.8%と続いた。
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従業員満足度調査を実施してほしくない(したくない)理由は何ですか。(複数回答)
「あまり実施してほしくない(したくない)」、「実施してほしくない(したくない)」回答者 N=536
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従業員満足度調査を実施した際の「効果」について、期待したい事は何ですか。(複数回答)
「実施してほしい(したい)」、「やや実施してほしい(したい)」回答者 N=2361
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TEL:03-5764-3281
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